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企業への質問は簡単?! 情報収集力も上げる逆質問対策法

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面接で「何か質問はありますか?」と言われて困ってしまった、
何をどう質問したらいいのか…、と悩んでいる方も多いことと思います。
企業へ質問することの目的を把握して準備すれば、
自分をしっかりアピールしつつ、企業の生の情報も得られる貴重な機会として就職活動にいかすことができます。
ここでは企業と応募者双方の目的を知り、効果的な質問を準備する方法をお伝えします。


企業への質問 : 企業側の目的


面接の際に企業側が応募者に「何か質問はありませんか?」と尋ねるのには、以下のような理由があります。
 

1.    応募者の入社意欲、志望度合いを知りたい


入社意欲が高ければ、その企業や事業について興味をもって調べており、複数の質問を持っているはずです。
質問してもらうことで、志望度合いや意欲の高さを測ります。
 

2.    コミュニケーション能力を確かめたい


質問の内容やその後のやりとりから、応募者の人となりや、
質問力、対話力などのコミュニケーションスキルを確認します。
 

3.    企業との相性を見極め、ミスマッチを防ぎたい


入社後に「思っていた印象と違う」というギャップが生じないように、お互いに質問することで理解を深め、
企業の理念や社風、採用ポジションとの相性を測ります。
 

4.    入社への不安や疑問点を解消したい


応募者に入社を検討してもらうにあたり、
疑問や不安を解消してもらい入社意欲を高めてもらう狙いもあります。
 

企業への質問: 応募者側の目的


一方、応募者にとって企業への質問は、自分をアピールし、生の企業情報を得る絶好の機会になります。
 

1.    企業への興味、入社意欲のアピール


企業研究から収集した情報をもとに、自身の感想や考えを添えて質問をすることで、
企業への興味関心や入社意欲の高さをアピールすることができます。
 

2.    自分の強み、やる気のアピール


「私は〇〇資格を持っていますが、仕事をするうえで更に必要な知識などがあったら教えてください」
「職場の皆さんと協働するために、現場で大切にしている考えなどあればお聞かせください」
等、質問を通じて強みを伝え、入社後のやる気をアピールすることができます。
 

3.    情報補完


企業研究や説明会などで入手した情報に加えて、現場、管理職、
役員など多様な階層の人たちから、企業の生の情報を得ることができます。
 

4.    企業とのマッチング


企業理念、社風などが自分の価値観にフィットするかどうか、直に肌で感じることができます。
 

企業への質問はどうやって準備したらいいのか?


このように、企業への質問は企業にとっても応募者にとっても有意義な機会になりますので、
しっかり準備して十分に活用したいものです。
では、どのように準備をすれば、この機会を最大限生かせるのでしょうか。
 

1.    企業の基本情報をおさらいしよう


ホームページ、求人票に載っている情報をおさらいし、そこでわかる情報は質問から外しましょう。
読めばわかることを質問すると「公開情報を知らないのは、うちに興味がないからでは?」と思われてしまいます。
 

2.    質問の目的を明確にしよう


質問する目的(意欲のアピールなのか、ミスマッチ防止のためか、情報の補完なのか、等)を明確にし、
目的にそった質問を用意しましょう。
面接の場では、その質問をさらに掘り下げられる可能性もあります。
用意した質問で、何をアピールしたいのか、自分と企業の何をマッチングしたいのか、
どんな情報が欲しいのか、まで明確にしておきましょう。そうすれば慌てずに対応できます。
 

3.    WhyとHowで探ってみよう


「なぜそのビジネスをしているのか」「なぜそのような経営戦略をとっているか」等、
Whyで尋ねる質問は企業理念やビジネスの背景など企業の根幹に関わるものです。
これは応募者の価値観や仕事軸にも直接かかわる情報ですから、自分とのマッチングに有効です。
またHow/How many/How much
(例: 「どんな販売方法で?」/「顧客数は?」「規模は?」/「利益は?」「コストは?」)
で尋ねられる情報は、一般公開されていないものも多いため、情報の補完に使えます。
 

4.    質問集を活用しよう


なかなか自分で質問が浮かばないという人は、
就活系のWEBサイトなどで公開されている「質問集」を利用するのも手です。
ケース別に様々な質問が紹介されていますので参考にできます。

ただし、参考例をそのまま拾うのではなく、「自分の知りたい情報が得られるか」
「それを知ることで自分のどんな疑問が解決するのか」まで考えておきましょう。
また選んだ質問については自分の考えも添えられるように準備しておくことをお勧めします。
例えば「〇〇業務を行う上で、必要なマインドはなんでしょうか?」のような質問をすると、
「あなたはどう思いますか?」と聞かれる可能性もあります。
用意した質問は、自分の中で一度かみ砕いて腹落ちさせておきましょう。
 

企業理解を深め、幸せに働ける就職先を見つけよう


面接は企業と応募者の『情報交換の場』です。
できるだけ詳しく正確にお互いの情報を伝えあうことで、ミスマッチのない職場を探すことができます。
そのためにも、企業への質問を十分に活用してください。

また面接官はプロですから、応募者が「質問のための質問」をしているのか
「本当に知りたくて質問しているのか」はわかってしまいます。
せっかく用意するのですから、自分に役立つ質問を準備しましょう。

ただ現実的には、「第一志望はともかく、志望度の高くない企業への質問を考えるのは大変…」
ということもあるでしょう。そういう人はぜひ次のような視点で考えてみてください。

「いろいろな企業に直に質問ができる機会」
「聞きたいことを聞くことができる機会」
は就活時期の特権です。


いったん就職したら、なかなかほかの企業の話を聞く機会はありません。
そういう意味で就活はとても貴重な経験になります。
志望度の高くない企業でも話をしたら意外と自分に合いそうだ、という出会いもあります。

まずは自己分析を通じて自身の強みや弱みを知り、価値観を知り、
「働く軸」を見つけてください。
そして質問で企業の情報をしっかり把握して自分とのマッチングをしてください。
就活生の中には「面接でいろいろ質問できて楽しかった」という人もいます。
企業への質問を通じて、自分が幸せに働くことができる環境を手に入れてください。

【執筆者紹介】

井上 由紀恵(いのうえ ゆきえ)
キャリアコンサルタント、就活支援講師

20年以上、外資を含む数社で人事業務に従事。採用、育成を通じて企業の発展に貢献。仕事、育児、介護と並行してキャリアカウンセリング資格を取得、その後豪州のMBAで学んで独立。自身の転職経験、人事経験を活かし、大学生から氷河期世代までの就活を幅広く支援している。
 

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