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就活小論文 まずはこれだけ!5つのポイント

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エントリーシートの準備をして、あとは面接対策…と思っていたら、
希望する企業の採用試験の項目に『小論文』の文字を見つけて焦った、そんな声を毎年耳にします。
小論文は主にマスコミ系で出題される傾向がありますが、
それ以外の企業でも求められるケースは少なくありません。

企業は小論文で何を評価するのか? それに対して何を伝えればよいのか?
今回は、小論文が苦手な方でもこれを知るだけでグッと書きやすくなるポイントをまとめました。


企業は小論文で就活生の何を評価しているの?


企業が小論文を出題するのはなぜでしょうか? 
その意図を理解すれば、どんなことを書けばよいのかも想像しやすくなります。
 

自分の考えをしっかりと持っているか


小論文では『〇〇業界の問題点と改善案』『働き方改革とAIの活用方法』
『当社でどのようにキャリアを積んでいくか』などのテーマに対して、意見や考えが求められます。
企業は自律性の高い人物を採用したいと思っています。
自律性とは『物事を自らの価値観や信条に沿って判断・行動できること』であり、
『他に依存せず物事を自力で完遂できる』という自立性も含まれます。
まずは曖昧な表現を避けて、自分の考えを明確に書くことを意識しましょう。
 

論理的・分かりやすく伝えられるか


自分の考えを明確にしたら、今度はそれをいかに分かりやすく論理的に説明できるかが重要です。
求められる能力としては『構成力』『表現力』ですが、こちらについては
後述する5つのポイントでお伝えいたします。
 

社会への関心があるか


就職するということは社会人になるということです。
また、企業活動は社会における問題の解決を提供することでもあるため、
時事問題やトレンドなど、社会にどれだけ関心を持っているかが問われます。

出題には『現在の世界情勢をふまえて~』や『業界におけるトレンドや傾向から考えて~』
といった条件付きでテーマが示される場合もあり、
それに的確に答えるには、日頃からニュースに目を通しておくことが大切です。
さらに、その内容に対して『自分はどう思うのか』と
考えながら読み進めるよう癖づけをしておくと良いでしょう。
 

小論文でしてはいけないこと


小論文で一番気をつけなければならないことは、
読み手に「この人は何を言いたいのか、さっぱり分からない」と思わせないことです。

小論文は、どんなにきれいな言葉で表現ができていても、相手に伝わらなければ評価は得られません。
分かりやすく伝えるには、論理的な構成で書く必要があります。
それには『型』を使うと書きやすいので、5つのポイントで説明します。

 

まずはこれだけ! 5つのポイント


ここまでにお伝えしてきたことを意識した上で、次の5つのポイントを押さえて書くことで、
小論文の評価はグッと上がります。
 

(1)テーマ


一般的に大きく3つに分類できます。
( )内は構成力や表現力などの文章力以外に、小論文で企業が確認したいことの例です。
確認したいポイントに応えられる内容にすることを目指しましょう。

①    自分に関すること
・あなたの大切にしているもの、言葉(価値観)
・今までに挫折したこと(困難を乗り越えた経験)
・自分を動物に例えると(性格・客観的に見た自分)
・自分らしさが最も現れた出来事(性格・価値観・行動力)

②    企業・業界に関すること
・業界の今後の展望(業界研究と課題意識)
・業界における当社の位置づけ(業界・企業研究、志望度の高さ)
・AIの活用方法(業界のトレンド知識、DXへの興味)
・公務員の役割について(求められる役割の認識、責任感)

③    社会に関すること
・成人年齢の18歳に引き下げによる世の中の変化(予測・推測とリスク管理)
・働き方改革とキャリアアップ(働くことへの意識や価値観、変化への対応)
・少子高齢化のメリット・デメリット(多角的な視点)
・SDGsで気になる目標は?(業界との関連性、環境問題以外への関心)
 

(2)型を使う


小論文に似たもので作文がありますが、両者は似て非なるものです。
作文は自身の体験やテーマに対して、自分の気持ちや感想を述べた文章であるのに対し、
小論文はテーマに対して、「自分の意見や考え」を「理由や具体的な例をあげて」、
「分かりやすく相手に伝える」文章です。ですから、評価される項目も異なります。
作文は文章の上手さ、感情表現の豊かさなどが高く評価されますが、
小論文ではあまり評価の対象とはなりません。

小論文では主に「論理性」が求められ、いかに読み手が納得できるかが評価のポイントになります。
作文は得意なのに小論文ではいい点が取れないと感じている人は、
論理的な構成で書くことを意識しましょう。

では論理的にはどのようにすればよいのか?
それは「型」を使うことです。
おすすめは「序論」「本論」「結論」の3部構成です。

 

「序論」は自分の考え・意見を明確に伝えることであり、
結論を端的に書きます。
 例「〇〇について、私はこう考える」、「私はこのように思う」

「本論」は小論文の一番重要な部分で、「序論」で述べた主張の根拠となる理由と、
読み手が想像しやすくするための具体例(自身の経験談等)を書きます。
 例「なぜならば~」、「例えば~、また~」、「具体的には~、他にも~」

「結論」は「本論」の理由と「序論」の主張をまとめて、
あらためて結論として述べます。
 例「以上の点から~」、「これらを踏まえ~」

テレビの長寿番組はほとんどの場合『型(パターン)』があります。
例えばヒーローものであれば、
①敵が悪事をはたらく
②主人公が敵と戦う
③主人公が負ける
④主人公が特訓をする
⑤再び敵と戦い主人公が勝つ
といった感じで、毎回、敵や悪事の内容が変わるものの、パターンは同じです。
だからこそ視聴者は最後に主人公が勝つと信じて安心して見ていられるし、
小さい子どもからお年寄りまで誰もが理解できるのです。

さらに言えば、もし②の主人公が敵と戦うシーンから番組が始まったとしても、
テレビを見ている人は「あぁ、この敵は何か悪事をはたらいたんだな」と
そこにない①の情報を自然に想像します。

小論文の場合も読み手である人事担当者は、長寿番組を何度も見ている視聴者と同じで、
多くの『型』に当てはめた小論文を過去に何千、何万と読んでいます。
つまり、『型』に当てはめて書くことで、
多少説明が抜けていても読み手が補完してくれる可能性が大きいというメリットもあるのです。

このように『型』に当てはめることで、
『構成力』や『表現力』を補う分かりやすく伝える文章を作ることができます。
 

(3)接続詞


接続詞は文章をつなぐ役割を持っています。
接続詞を上手に使うことで、伝わりやすい文章になります。

<小論文で使用する主な接続詞>

順接:前項が後項の順当な理由、原因となっている場合に使う。
 例「したがって」「以上のことから」「だから」

逆説:前項が後項の順当な理由、原因とならず、逆の結果が生じる場合に使う。
 例「しかし」「ところが」「それにもかかわらず」

補足:前項の理由や原因を後に続く部分が補足・説明する場合に使う。
 例「なぜなら」「その理由は」「そもそも」「実は」

例示・言い換え:前項を別の言い方で表現したり、例をあげたりする場合に使う。
 例(例示)「例えば」、「具体的には」、(言換)「つまり」「言い換えると」

添加:前項に、後項を付け加える。
 例「そして」「それから」「さらに」

本論で理由を述べる時には、「なぜなら」「その理由は」といった補足の接続詞を使う。
結論を述べる時には、「したがって」「以上のことから」といった順接の接続詞を使う。
ただし、使い過ぎや使い方を間違えると逆に分かりづらくなるので注意が必要です。
 

(4)配分(文字数・時間)


小論文は与えられた条件の中で書き上げなければなりません。
条件の中で配分を意識しておくべきものは「時間」と「文字数」です。
出題者は内容だけでなく、指定した文字数と時間内で
まとめる能力があるかどうかも見極めようとしています。
下記を参考に練習をして本番に臨んでください。

<文字数>
文字数は指定された文字数の9割以上書くことが目安となります。
文字数より大幅に少ない場合は、その時点で期待する能力に足りないとみなされて、
読んでもらえない可能性があります。文字数は必ず守ってください。
(例)文字数800字の場合
   800文字×0.9=720文字以上(800字以下)

<時間>
制限時間の半分程度を清書に使う目安にして、
残りを構成と最終チェックで配分する。
(例)制限時間が60分の場合

5分 テーマの分析(何を問われているのか、求められているものは何か)
15分 序論・本論・結論の構成と本論で述べる具体例選択(下書きメモを作成)
30分 清書(一般的に400字の原稿用紙を埋めるのにかかる時間は、10分程度)
10分 誤字脱字、接続詞などを見直す。ケアレスミスを防ぐため必ず時間をとる
 

(5)文体


一般的に小論文では、常体と呼ばれる『だ・である』を使います。
常体は簡潔で客観的な表現であるため、自身の意見をはっきりと伝える論文に向いているからです。
『です・ます』は敬体と呼ばれ、相手に対する敬意を表した柔らかい印象になるため、
意思表示としての力強さには欠けると言えます。

しかしながら、就活における小論文は、書類選考として面接の前に読むことも多いため、
『です・ます』を使って文章から人柄や性格を感じとってもらうという考えもあり、
どちらが正解とは言い切れません。

大切なのは文書全体の統一感です。論理的で納得感のある内容であれば、
文体を統一することで一貫した印象を与えられますから、評価への影響はないと思います。
 

まとめ


最後に、あらためてお伝えします。
小論文で最も大切なのは『自分の考えが明確』で、
結論や主張の根拠が『論理的に分かりやすく』書かれていることです。
つい人事の目を惹きたくて、尖ったものや斬新な結論を書きたくなるかもしれませんが、
そこまで考える必要はありません。

これまでに述べてきた5つのポイントを踏まえていけば、どんなテーマにも対応できるはずです。
小論文は練習すればするほど上手になりますので、まずは1度書いてみてください。
そして回数をこなして慣れていきましょう。




【執筆者紹介】

野末 岳宏(のずえ たけひろ)
新卒採用コンサルタント、エンパワーメントカウンセラー
E-Z-ON株式会社 代表取締役。大学卒業後、大手電機メーカー系IT企業の人事・総務部にて22年半勤務。採用活動の企画・運営を行い、社長賞受賞。年間80回以上、延べ8,000人以上の選考に携わった経験を活かし、2012年に独立。新卒採用支援、若手社員の育成サポートに携わっている。

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