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最終面接で準備すべき9つの質問

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「最終面接」。言葉の通り、採用選考の最後に実施される面接です。社長や役員が面接官になるケースも多く、入念な準備が必要です。

最終面接をはじめ、面接で聞かれる質問にはすべて意図があります。その意図を理解し、相手が知りたいことを回答することを心がけましょう。本記事では、最終面接の質問を3項目合計9つに絞り、それぞれの質問の背景と回答のコツをお届けします。


入社意欲に関する質問


最初の項目は入社意欲に関する質問です。
意欲が高ければ、入社後も積極的に新しい知識を吸収し、活躍してくれそうなイメージがもちやすいもの。
具体的な質問内容について考察します。
 

質問①:「あらためて志望動機を教えてください」


必ず聞かれるといっても過言ではない質問。そして就活生の入社意欲を確認するための有用な問いでもあります。
「なぜこの業界を志望するのか」と「その中でも競合他社ではなく御社である理由」の2点は必ず加えましょう。

多くの場合、過去の面接内容は事前に共有されています。
一次面接や二次試験の際に自身が発言した内容と大きな齟齬がないことを、事前に確認しておきましょう。
「選考の中で得た情報からより入社したい気持ちが高まった」という内容を加えるのも有効です。
 

質問②:「うちの会社は第一志望ですか?」


会社への志望度の高さを知るための直球の質問です。本当に第一志望ならば問題なく答えられるでしょう。
しかし就職活動とはそもそも複数社を同時に受けるもので、第一志望でない場合もあり「答えにくい質問」です。
それでもなおあえて聞くことで、本気さを図ろうとする目的です。

「はい!」と自信をもって伝えましょう。これは自分の気持ちに嘘をつくということではありません。
「今この瞬間は御社が第一志望である」という心構えをもって最終面接に挑むべきだからです。
そのくらいの熱意がなければ、最終面接に挑む前のマインドセットとして不十分ということを理解しておきましょう。
 

質問③:「入社後にやりたい仕事はありますか?」


やりたい仕事とは具体的な職種を問われるケースが多いです。
スムーズに答えるためには会社の仕事内容を把握し、自分が大事にする価値観を理解しておく必要があります。
つまり、企業理解と自己理解を問う質問です。

やりたい仕事を明確にしておくことは大事ですが、その仕事にこだわりすぎないことも重要です。
人事異動はその時の会社の状況によって変化するからです。
「まずは早く仕事を覚えて一人前になりたい」や「絶対にこの仕事というわけではありませんが…」などと一言添えておくとよいでしょう。
 

将来のビジョンに関する質問


将来のビジョンとは、その会社で働くことでどう成長したいのか、どんな人材になってどのように貢献できるかの計画書です。計画が立てられるということは、長期的な視点で働く意欲があるとみなすことができます。価値観や仕事観、企業研究の度合いや志望度がみられます。
 

質問④:「業界の将来性とその時の会社の立ち位置を予測してください」


この質問に答えるためには、業界知識と現在のトレンド、会社のポジショニングや強みを把握する必要があります。
会社の舵取りをする経営層ならではの質問です。単に知識だけではなく、「不明瞭な未来をどう進むのか」を自らの頭で考える力が問われています。

簡単な質問ではなく、また正解もありません。
経営者のインタビュー記事や業界未来予想などの情報をリサーチするのが有用です。
その情報をもとに、自分ならではの意見とその根拠を論理的に説明できる準備をしましょう。
 

質問⑤:「うちの会社で挑戦してみたいことはありますか?」


「うちの会社で」との言葉の背景には、その会社だからこそできることが大前提です。
他の企業でもできることは述べないように注意しましょう。

またその内容が単に自分の興味関心を満たすものにならないことも重要です。
つまり会社側にもメリットがある内容ということ。
自分のやりたいことが会社の成長にもつながることを伝えるのです。
働き手と会社側がwin-winになる内容が望ましいのです。
 

質問⑥:「10年後、どんなビジネスパーソンになっていたいですか?」


会社の成長は、目標設定と実行のサイクルで成り立っています。それは人材においても同様です。
理想の人材像があるからこそ、そこに向かって努力ができるのです。
自分の理想像が描けることは成長のステップが可視化でき、それは会社に貢献できる人材への成長ストーリーにもなります。

今時点で10年後の明確なビジネスパーソン像が描けるかどうかが重要なのではありません。
面接官は、目標を描きその目標に向かって努力できる就活生の成長意欲と覚悟が聞きたいのです。
 

人柄や価値観に関する質問


人柄や価値観に関する質問を通して、会社の社風や文化に合うかどうかを判断するねらいがあります。「うちの社員と合いそう」というイメージによって、連携して仕事ができるかどうかをみています。
 

質問⑦:「ここまでの選考はどうでしたか?」


単にここまでの選考の感想を聞きたいわけではありません。
この質問を通してあなた自身の価値観や考え方を知りたいのです。

そのため「緊張しました」や「できませんでした」などのネガティブな内容や、できなかったことだけを伝えるのは要注意。「今の全力で挑むことができた」や「選考を通して新たな発見や気づきがあって、さらに意欲が向上した」、「〇〇の質問を家に帰って考えてみて、今はこう思う」といった前向きかつ意欲が高まった発言を心がけましょう。
 

質問⑧:「もっともあなたらしさが伝わるエピソードを教えてください」


まずは「自分らしい」とは何なのかをはっきりさせておかなければなりません。
強みなのか性格なのか考え方なのか価値観なのか。自分を表現できるキーワードを準備しましょう。

単に自分らしさを答えるだけでなく、その自分らしさが「会社でどう活かせるか」も伝える必要があります。
そのため、会社が求める人物像のチェックも欠かせません。
そのあなたらしさが、相手に好印象を抱いてもらえる内容になっているかを確認しましょう。
 

質問⑨:「なにか質問はありますか?」


いわゆる「逆質問」というもの。
その質問の意図から就活生の傾向を把握し、積極性や志望度を確かめるために使われます。

基本的には「気になっていること」や「知りたいこと」を尋ねればいいのですが、Webサイトを調べればわかるような内容はひかえましょう。リサーチ不足とみなされるかもしれません。
それよりも「その質問を通して不安が解消され、さらに意欲が高まるもの」という視点を外さないことが重要です。
 

おわりに


最終面接ともなると緊張しやすいはずです。
緊張をゼロにするのは難しいものの、事前に準備をすることで多少なりとも軽減することができます。
質問の意図を理解して回答を用意することで、多少なりとも心の余裕が生まれるはずです。
妥協なく準備を進め、悔いが残らない状態で最終面接に挑みましょう。


【執筆者紹介】

神田 道雄(かんだ みちお)
国家資格キャリアコンサルタント

飲食業界にて管理職として従事した後、培った教育ノウハウをもとに人材業界へ。就活生を対象に各種就活イベントを企画・運営。その後も幅広い年代のビジネスパーソンのキャリア相談を経て、「学生時代にこそ考えておくキャリア」について情報提供している。

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