「就活のメールどう書けばいい…?御社?貴社?」いざ正しい言葉遣いをしようと意識すると、言葉選びに迷ってしまった…そんな経験はありませんか。
就活を進める上で一番最初に身につけるべきことがあります。それは、『就活マナー』です。就活マナーができていない人は、とくに面接での評価が下がってしまいます。
就活生は、学生といえど『プレ社会人』です。学生のステージから社会人のステージに移行するためにふさわしい話し方、振る舞い方、メールの書き方など求められることはグッとレベルアップします。
とはいえ、そんなに難しいことではありません。3つのポイントを押さえるだけで大丈夫です。
この記事では、就活を始めたばかり、または始めようとしている方が、スムーズに就活を始めるための3つのポイント『人事担当者はココを見ている!』『就活マナーたった1つのポイント』『御社と貴社の使い分け(例文つき)』について解説していきます。
1. 人事担当者はココを見ている!
- 就活マナーは選考基準のひとつ
なぜ、就活マナーが大切になるのでしょうか。それは、選考基準のひとつだからです。
企業の人事担当者の方は常に「いい人に入社してほしい」と思っています。いい人の定義は様々ですが、その要素の一つに『社会人としての基礎ができている人=ビジネスマナー』が挙げられます。
ビジネスマナーが身についているかどうかはあいさつ、態度、姿勢、話し方、文章の書き方などでわかります。マナーがいい人ほど「この人は礼儀ができている。他の人ともうまくやっていける。いい仕事をしてくれそうだ」と好印象を与えることができます。
就活マナーは選考基準のひとつだと覚えておきましょう。
2. 就活マナーたった1つのポイント
- 就活マナーの基本は『礼儀正しさ』
就活マナーは、実に様々。
例えば、メールのマナー・挨拶の仕方・おじぎの角度・面接の入室マナー・話し方・言葉の使い方・電話のかけ方等。
就活マナーの多さに驚くかもしれません。やらないといけないこと、やるべきこと、気を付けるべきポイントの多さに疲れてしまうこともあるかもしれませんね。
でも大丈夫です。就活マナーはいろいろありますが、すべては『礼儀正しさ』のことだと覚えておきましょう。「ここはどうしたら正解…?」「なにか間違ってるの?」「想定外のことが起きた…どうすれば…」と悩んだら、シンプルに礼儀正しいと思う方を選びましょう。
あいさつをする、お礼のメールをする、感謝を伝える、素直に教えてもらうなど、あなたが感じる礼儀正しさを実践してください。
3. 御社と貴社の使い分けと例文
それではここから、就活マナーの基本である言葉の使い方『御社』と『貴社』の違いと使い分けについて説明します。
御社:話し言葉
貴社:書き言葉
貴社:書き言葉
御社は面接や電話、企業説明会などで企業の方と話すとき、相手の会社を敬って伝える言葉です。
貴社はメール、履歴書等で企業のことを書くとき、相手の会社を敬って伝える言葉にです。
- 御社と貴社の注意点
どちらの言葉も、意味としては同じです。ただし、使う場面が異なりますので注意してください。仮にメールで『御社』と書いた場合、意味は通じますが受け取った方はどう思うでしょうか?
「就活マナーができていない。学ぶ姿勢が足りていない。礼儀正しくはない。ほしい人材ではないかもしれない」と、評価が下がりかねません。
また、御社、貴社は敬語です。様をつけると二重敬語になるので気をつけましょう。
- 弊社、当社との違いは?
さらに、御社・貴社と似たような言葉に『弊社』『当社』があります。就活を始めたばかりだと聞きなれない言葉だと思うので、こちらも紹介します。
弊社:自分の会社を謙遜して言う言葉(主に社外の人に使う)
当社:自分の会社を謙遜して言う言葉(主に社内の人に使う)
当社:自分の会社を謙遜して言う言葉(主に社内の人に使う)
こちらも意味としては同じです。ただ、使う相手が異なります。
具体的には、お客様や取引先が相手のときは『弊社』。
社員同士の会話やメールのやりとりには『当社』を使用します。
両方とも内定後、新卒として働く際に使うことになるので、今のうちに覚えておきましょう。
- 「面接例」「メール例文」
「弊社」「御社」は面接でよく使われます。どちらがどちらか迷わないよう、面接例を挙げておきます。
<面接例>
面接官 「弊社を志望した理由を教えてください」
あなた 「はい。私が御社を志望したのは〜」
面接官 「弊社を志望した理由を教えてください」
あなた 「はい。私が御社を志望したのは〜」
書くときに使うのは「貴社」です。メール文例を挙げておきます。
<メール文例>
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
貴社へ伺う日程を返信させていただきます。
先日の会社説明会で先輩の会社紹介を聞き、貴社で働きたい思いが強くなりました。
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
貴社へ伺う日程を返信させていただきます。
先日の会社説明会で先輩の会社紹介を聞き、貴社で働きたい思いが強くなりました。
さらっと言える、書けるようになると、(就活マナーができているな)と自己PRにつながります。
ぜひ、間違いがないよう、使い分けをマスターしていきましょう。
まとめ
御社、貴社、弊社、当社と挙げてきましたが、まとめるとこうなります。
御社:相手の会社を敬う話し言葉(面接、就職説明会で使う)
貴社:相手の会社を敬う書き言葉(メール、履歴書で使う)
弊社:自分の会社を謙遜した言葉(主に社外の人)
当社:自分の会社を謙遜した言葉(主に社内の人)
貴社:相手の会社を敬う書き言葉(メール、履歴書で使う)
弊社:自分の会社を謙遜した言葉(主に社外の人)
当社:自分の会社を謙遜した言葉(主に社内の人)
就活マナーは選考基準のひとつです。
しっかり身に着けて、好印象を与えて、有利に就活を進めていきましょう。
応援しています。
【執筆者紹介】
松本 貴道(まつもとたかみち)
企業研修講師、ファシリテーター
大手企業で連結決算プロジェクト担当として従事した後、教育業界の道へシフトチェンジ。学生300人以上の個別指導、新入社員への1on1、プロジェクトマネジメントの経験を活かし、内定者〜新入社員の新人研修、中堅・管理職のリーダー育成に携わる。