ここから本文です

『就職に有利な資格』はある?ない?

SHARE

「履歴書の資格欄に書ける資格がひとつもないから、何か資格を取った方がいいかな?」
「どうせ取るなら、就職に有利な資格がいいな。就職に有利な資格ってあるのかな?」と思っている就活生は多いのではないでしょうか。

今日は、そもそも就職に有利な資格はあるのか、資格を取るとどんなアピールができるのか、取るならどんな資格がお勧めなのか、など資格にまつわる疑問についてお答えしていきます。


そもそも『就職に有利な資格』はあるのか


結論から言ってしまうと、新卒の就職活動では、職種によって内定までに取得が条件となる資格(例:普通自動車運転免許)や応募段階で特定の資格を保有していること(例:TOEIC600点以上)、という応募条件を設けている企業は存在しますが、持っていると選考で有利になる資格というものは『ない』と言えます。
つまり、資格が1つもないとしても、不利になることはありません。

ただし、資格を持っている=有利 とはならなくても、資格を持っていることで、好印象を与えたり、アピールにつながる可能性があるという意味では、『ないよりはあった方が、就活を有利に進めることができる』と考えることができます。
 

資格があることでアピールできること


では、資格があることで、選考時にどのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきましょう。
応募業界や職種で実際に必要な資格の場合はもちろん、直接的に関係のない資格の場合でも、資格を取ることでアピールできることはたくさんあります。
 

志望業界や職種への興味度、熱意


まず、応募業界や職種に関連する資格、例えば、金融業界志望者が日商簿記検定2級を取る、というような場合です。この場合は、業界で必要な基礎知識を持っていることを直接アピールできるという点で、かなりの好印象を与えることができます。すぐに仕事を任せられるイメージが湧き、大きなアピール材料となります。
同時に、その業界や職種に対する興味の高さや、時間をかけて主体的に勉強したという熱意も表すことができます。
 

資格取得までの努力ストーリー


次に、応募業界や職種が合致しているかどうかは関係なく、どんな資格の取得であってもアピールできることとして、その資格を取得する過程の『努力ストーリー』があげられます。
勉強に費やした時間の管理、計画を立てる、学業やアルバイトとの両立、モチベーションの維持、自己管理などについての工夫や努力についてのストーリーは、業務で活かせる様々な長所や特性を、資格取得という結果とともにアピールすることができます。
 

何の資格を取ればいいのか


資格取得で何がアピールできるかがわかったところで、次は、『何の』資格を取ればよいのか、ということを考えていきます。どんな資格でも、時間をかけて勉強をしなければならないため、『興味のある内容であること』は大前提ですが、それ以外の選択のポイントは以下の通りです。
 

希望業界・職種に特化した資格を取る


せっかく時間をかけ努力をして資格を取るなら、希望業界や職種に関連のある資格を取りたい、と考えるのはもっともです。各業界での一例を紹介します。
金融業界 → 日商簿記検定、ファイナンシャルプランナー
旅行・観光業界 → 旅行業務取扱管理
不動産業界 → 宅地建物取引士、不動産鑑定士
保険業界 → ファイナンシャルプランナー
IT業界 → ITパスポート

難易度の高い資格もありますが、興味のある内容、行きたい業界の勉強であれば、ぜひ就活でアピールできることだけでなく、その先の希望業界で活躍しているイメージを目標にして、勉強してみるとよいでしょう。
 

汎用性のある資格を取る


特にこの業界で、というのでなく、幅広く活用できる資格としては、以下のようなものがあります。
英検、TOEIC
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
秘書検定

これら3つの共通点は、『どの会社、どの仕事でも必要な知識の証明となる』ということです。
英語力やExcelやPower Pointの使い方、ビジネスにおけるマナーが不要な会社は1つもありません。
まだ希望業界が決まっていない方も安心して取り組めるのではないでしょうか。
 

資格取得の注意点


資格取得を目指す場合、学業やサークル活動との両立ができるか、勉強の時間を確保できるかをよく
考え、自分にとってベストなタイミングを選択することが大切です。以下の点にも注意しましょう。
取得までの期間・・・上に挙げた資格の中には、取得に半年から1年程度かかるものもありますので、 就活で役立てたいと考える場合は、勉強開始時期を逆算してスタートさせる必要があります。

受験機会とタイミング・・・不動産鑑定士など、試験によっては年に1回しかないものもあります。試験の要綱を事前に確認しましょう。

費用・・・受験費用はもちろん、短期合格を目指すなど場合により、専門学校や通信教育などの専門 機関での学習を行う際は、別途費用がかかります。

迷ったらこの資格から!即効性のある就職に有利な資格


ここまで様々な資格を例に挙げてきましたが、まだどれがいいかな、と迷っている方のために、超おススメな就職に有利な資格をご紹介します。それは、
TOEIC
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

この2つをおススメに挙げた理由は2つ、①試験回数が多い ②結果通知が早い からです。
TOEICについては、およそ月1回の公開テストと学校によってはIPテストでの受験機会もあります。また結果は合否ではなく点数で出るため、少しずつ点数を伸ばしていくことも可能です。
MOSも、月1~2回のペースで試験が実施されていること、結果はなんと受験後すぐにわかる、というスピード感で、受験しやすさNo.1です。国際資格ということ、多くの会社で使われているソフトの技能を取得できることも嬉しいポイントです。
 

まとめ


就活では、自分のアピールポイントをわかりやすく伝える必要があります。その点、資格の内容や資格を取るまでの努力を伝えることは、人事担当者に対して訴求効果は絶大です。もちろん、部活動やその他の活動のアピールと同様、ご自身のがんばった軌跡をしっかりと伝えてください。

【執筆者紹介】

津田 典子(つだ のりこ)
キャリアコンサルタント、和光大学非常勤講師

ANA客室乗務員インストラクター、チーフパーサーとして11年従事した後、採用コンサルタントとして10社の新卒・中途採用業務に携わる。これまでに3大学にて4000件超の就職相談に関わり、現在は和光大学にてビジネスマナーとキャリア教育に力を注ぐ。
 

SHARE

カンテレがプロデュースする
就活応援メディア