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最後の難関「役員面接」内定を勝ち取るための必須ポイント

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長かった就職活動の最後にして最大の難関が「役員面接」です。
ようやくここまでたどり着き、少しほっとしている方も多いのではないでしょうか?

「ここまでくれば採用は決まったようなもの!」
と油断していると、最後に残念な結果に終わってしまうことも多いのが役員面接です。
採用決定権を持つ役員に、「ぜひ採用したい!」と思ってもらうためには、
これまでの面接とは異なる対策が必要です。
内定を勝ち取るために、どのような心構えと準備が必要なのか必須ポイントを紹介します。


 

役員面接と一次・二次面接は大きく違う!


これまでの面接との大きな違いは、2つあります。

ひとつは、面接官です。
面接官は会社の経営に直接携わる経営陣、役員が担当します。

会社によっては社長みずからが面接することもあるほど重要な面接ですので、採用の決定権を持つ役員が直接面接を行います。面接官の人数は会社によって異なりますが、2~3人の役員が担当することが多いです。


ふたつめは、面接の目的です。
現場のマネージャーや管理職クラスが担当することが多い一次・二次面接では、業務を遂行するための基本的な能力やスキル、職務の適性、資質などを判断することが主な目的でした。
役員面接の目的は、経営視点から見て候補者が「社員として相応しい」か、「採用したい」かを最終的に判断することが目的です。
候補者の知識や能力は既に確認済みですので、経営者の立場から長期的な視点で会社のビジョンや理念と候補者の価値観がマッチしているかどうかを見定めます
一次・二次面接での評価が高くとも、ここで経営層がNOと判断すれば、採用されることはありません。

では、役員面接ではどんな視点で候補者を見ているのでしょうか?

 

役員はここを見ている!

 

会社経営に携わる役員は、事業を拡大、成長させ常に会社の存続と発展を念頭に置いています。
そのために会社の売上と利益を確保することを優先します。
その反面、優良な企業はたとえ経費がかかったとしても会社の発展に貢献してくれる社員の採用や育成には積極的です。
役員面接は企業にとって財産となる人材を採用する重要な機会となりますので、当然候補者を見る目も厳しくなります。


役員が見るポイントは・・・
・企業理念や企業風土に合っているか
・志望意欲が高いか
・会社に長期的に貢献できるか
  
この3つに要約されます。


企業理念や企業風土に合っているか

知識が豊富で能力が高くても、その企業が打ち出している価値観や理念に共感し、職場の風土になじむ人材であると判断されなければ、採用されることはありません。
同じ業界、業種であっても、企業によって必要とする人材を見る視点は異なります。
あくまでもその企業が大切にしている価値観とあなたの価値観や人間性がマッチしているかどうかが問われます。
これは企業側が最終的にあなたを見極める場でもある反面、あなたが本当にこの企業でいいのかという見極めの場でもあります。
役員と直接対話することで、お互いが納得し満足が出来るよう企業理念や企業の求める価値観を事前に理解して臨みましょう。


志望意欲が高いか

志望理由は候補者によって様々ですが、多くは過去の体験や価値観から「この会社で働きたい」という動機が生まれるものです。
その場で取り繕ったり、これまでの面接での受け答えと整合性がないなど志望する理由が明確に伝わらないと、「他の会社でもいいのでは?」と評価されてしまいます。

給与や労働条件を最優先した志望動機はNGであることは言うまでもありませんが、
一見意欲が高そうに思える「御社で学ばせていただきたい」といった志望動機もNGです。
会社は学校ではありません。戦力として働き、その対価としてお給料をいただく場所であることを心得、「会社にどう貢献できるか」という視点で志望動機を伝えましょう。

また、「社会の役に立ちたい」などの漠然とした理由や熱意だけで押し切ることもNGです。
これではこの会社でなければいけない志望理由がまったく見えてきません。
「なぜこの会社でないとダメなのか」を自分の体験談や価値観に紐づけて具体的に説明し、役員に「採用したい」と共感してもらえるよう志望動機と意欲を伝えましょう。
一次・二次面接で伝えた志望動機を見直し、整合性を確認することも必要です。


会社に長期的に貢献できるか

企業にとって一番のリスクは、人材の流出です。特に優秀な社員が早期に退職することは、
企業にとっては大きなダメージになります。
採用するにあたって、役員は短期離職のリスクがあるかないかを厳しく判断します。
そのため、面接では企業や事業への興味と意欲があるか、会社が目指す方向性と候補者の認識にヅレがないかを確認します。
ここは面接する役員の感性や価値観、場合によっては好き嫌いによって左右されることもあるため、定量的には対策しづらい点ですが、仕事への熱意と会社への愛着を誠実に伝えることが重要です。
「何がしたいか」、「この会社でどうありたいか」を明確に伝えましょう。
 

 

内定を勝ち取るための必須ポイント


最後に、
役員面接を突破し内定を勝ち取るために押さえておくべきポイントをお伝えします。

親しみやすく誠実な印象を与える

いくら成績優秀でも、面接での受け答えが完璧であったとしても、
第一印象で嫌な印象を持たれてしまっては、面接官がその印象を引きずったまま面接が進むことになり、採用に至ることは難しくなる可能性があります。
面接に限らず、社会人として身だしなみを整え、姿勢よく、柔らかな表情で溌溂と受け答えすることは基本中の基本です。
一次・二次面接を突破したとはいえ油断せず、自分の姿、振舞いを再度確認し、気を引き締めて面接に臨みましょう。


志望動機を深堀する

「本当にこの業界、この会社で働き、どう会社に貢献できるのか!」
これからのキャリアをどのように考えているのかを客観的に見つめ直すことはとても大切です。
たとえ採用が決まったとしても、あなたの思い描くキャリアプランと会社の方向性が違っているとお互いにとっていい結果にはなりません。あなた自身が本当に働きたい会社なのかを見極めると同時に、入社したい志望動機を深堀し、面接官に明確に伝えることが出来るよう見直しましょう。
漠然とした理由では、入社したいという熱意は面接官には伝わりません。
ESシート、履歴書などを見直し、整合性を再度確認することも重要です。


徹底的に企業研究、業界研究を行う

経営者であれば、採用候補者がどのくらい自社について関心があるか、どのくらい研究し知識があるかはすぐにわかるものです。HPに書かれていることを流し読みした程度では、本当に入社したいのかどうかの本気度に疑問符がつきます。
応募している企業情報は細部にわたって研究するのは基本ですが、業界や競合他社の動向、最新のトピックス、経済ニュースなど徹底的に研究し、面接に臨みましょう。
「こんなことまで知っているのか!」と役員が感心するレベルに達すると、本気度が伝わり
役員の心象も良くなります。


想定質問と逆質問を準備する

面接の質問には定番があります。
自己紹介や自己PR、志望動機や将来のキャリアビジョンなど、必ず聞かれる質問には自信を持って応えられるよう練習をしましょう。一言一句を暗記するのではなく、自分の言葉で誠実に気持ちを込めて伝えましょう。
面接の最後には、必ずと言っていいほど「何か質問はありますか?」と聞かれます。
詳細に企業研究をしていると、気になることが出てくるものです。それに関連づけ事業戦略や経営ビジョン、組織風土などについての逆質問をいくつか用意しておきましょう。


いかがでしたか?
役員面接は内定を勝ち取るための最大の難関です。
油断することなく事前準備をしっかり行うことが重要です。
内定は就活のゴールでもありますが、社会人としてのスタートでもあります。
晴れやかにスタート出来るよう、自信をもって最終面接に臨んでください。

 【執筆者紹介】

山本 洋子(やまもと ようこ)
キャリアコンサルタント、企業研修講師

大手航空会社で25年間国際線CAとして乗務、訓練教官、採用面接官を務め約6000人のCAの育成にあたる。退職後は保険会社で7年間営業に従事、現在の研修会社を設立。官庁や企業にて研修を行い人材育成に携わる。著書「どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない一流のメンタル100の習慣」(朝日新聞出版)
 

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