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長所と短所をどう伝えるか? 上手な伝え方一覧

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人は皆、長所と短所を持っています。もし皆さんが、自分にはこんな短所があるから駄目なんだ、人より劣っているんだと感じているとしたら、全くそんな必要はありません。長所も短所も皆さんの特性なのです。自分の特性をよく理解して工夫し、仕事をうまく進めて行くことができれば、全く問題ないのです。

 皆さんの周りにも、いますよね。約束をすぐ忘れたりして、ちょっといい加減だけれど、他の人からは憎めないなと思われている人。こういう人は、短所を長所に変えるやり方を知っているのです。

ここでは、あなたという人間を素敵に見せるためのちょっと上手な伝え方をお知らせします。


企業が長所と短所を知りたい理由


企業に提出する履歴書やエントリーシートには、長所や短所を書く欄があります。
また、面接でも、長所と短所について質問されます。

では、長所がたくさんあって、短所がほとんどない人が採用されるのでしょうか? 
その前に、そんな神様みたいな人って本当にいるのでしょうか? 

皆さんの周りのご家族、お友達を思い浮かべてみてください。

皆さん、良いところもあれば、今一つのところもある愛すべき人たちです。
企業は皆さんに完璧な人間を求めているのではありません。
自分の特性をよく理解している人かどうか、そして、その特性を踏まえて、勉強やサークル活動、アルバイトで仕事をする際、どんな工夫をして来たのかを知りたいのです。何も見栄を張って自分を無理に良く見せる必要はありません。
 

自分の特性を知る ~短所があるのは恥ずかしいことではない~


まずは、自分の特性をよく知りましょう。
長所=良い点、短所=悪い点 と考えがちですが、そう決まったものではありません。あとで述べるように、同じ特性でも、見方によって、長所にも短所にもなるのです。

子供の頃から今までを振り返ってみましょう。色々な経験をしていると思います。
他の人と似ている部分もあれば、かなり違う部分もあるはずです。良い、悪いを考えず、自分はどんな人間かを考えてみてください。

人にはいろいろな特性があります。粘り強いとか、柔軟であるとか、根性があるとか言いますね。
では、ご自分がそのような人間であるとなぜ思うのでしょうか? 

それは、これまで生きて来た中で、ご自分のそのような特性が現れる場面を多く経験して来たからです。
こんな場面でこんな経験をしてこう感じたということを振り返って整理しておかれることをお勧めします。
あなたの特性を説明できるような素敵なエピソードがたくさんあるはずです。
 

長所の上手な伝え方


ご自分の長所を伝える際に、遠慮することはありません。
ご自分では、こんなこと当たり前で大したことはないと感じているかも知れませんが、そんなことはありません。他の人にとっては、凄いと感じることも多いものです。

単に、努力ができるとか、コミュニケーション力があるといった定型的な言葉では不十分です。企業の採用担当者は、あなた自身の言葉であなた自身を語る言葉が聞きたいのです。あなたが経験したこと、あなたが感じたこと、考えたことを聞きたいのです。ですから、あなた自身のエピソードを具体的に語れるようにしておく必要があるのです。
 

短所を長所に変える表現


ここまで読んで下さった方は、もうお分かりと思いますが、ご自分の短所を伝えることは恥ずかしいことではありません。
長所、短所とはものの見方、表現の仕方の違いだからです。

例えば、行動が遅いという短所も、慎重な人と表現すると長所になり、そのことによって失敗することが少なくなります。飽きっぽいという短所も、柔軟であるとか、変化することに抵抗がないと表現すれば長所になります。

このような表現の違いはいくらでもあります。以下の言い換えを参考にして、ご自分の特性を上手に表現することをおすすめします。



いかがですか? 同じ特性でも、言い方一つで印象ががらりと変わることが分かると思います。
それであれば、相手に良い印象を持って頂けるような肯定的な表現の方がいいですね。


短所の上手な伝え方


短所があるのは事実ですが、そのことで自分を卑下する必要はありません。
「わたしはこんな特性をもっています。それを踏まえて、こんな工夫をして来ました。」ということが伝われば良いのです。
 
たとえば皆さんが、仕事は速いのだけれどそそっかしくて、資料作成の際に間違った数値を記入した経験があるとします。
その短所を克服するために、仕事を早目に片付けても、すぐには提出しないで、2時間経ってから改めて見直しをするという工夫をしているとします。その見直しによって間違いをみつけて修正し、正確な資料を提出できるようになったということを話せば、逆に信頼感を持って頂けるのです。
 

最後に


皆さんは色々工夫しながらここまで生きて来られました。それだけでも、十分素敵なことで、自信を持たれても良いことです。
自分のことを肯定的に表現することで、相手に良い印象を持ってもらえるだけでなく、自分を尊重する気持ちも高まります。
あなたがご自分のことを、明るく語って下されば、採用担当者の方も、あなたのこときっと素敵な方だと思って下さいます。
良いご縁をお祈りしています。

【執筆者紹介】

仲井 圭二(なかい けいじ)
働きがいコンサルタント、研修講師

建設コンサルタント会社における30年以上の勤務経験を活かし、学生のES対策・SPI対策指導、大学での就活講座講師、企業の採用面接官、企業の採用支援員等を務める。大東文化大学非常勤講師。著書『人生を変える働き方転換術』(ごきげんビジネス出版)

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