就職活動を進める上で、興味のある業界を調べると同時に、「給与はいくらくらいなのか」と気になることもあるでしょう。
そして、その初任給をどう使おうか、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、学歴別・業界別での初任給の平均額や、総支給額と手取り額の違いなど、初任給について詳しく解説します。
学歴別の平均初任給
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、
大卒の初任給平均額は、男性22万9,700円、女性が22万7,200円でした。
まずは自身の平均額はどれくらいか確認をしておくと良いでしょう。
〈厚生労働省:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況「新規学卒者の学歴別にみた賃金」
業界別の平均初任給
また、初任給の平均額は学歴だけではなく、産業によっても異なります。
ここでは、厚生労働省「令和4年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」をもとに大学卒の男女計を提示します。
※令和2年以降は給与内に通勤手当を含む
厚生労働省:賃金構造基本統計調査政府統計の総合窓口e-Statホームページ内「令和4年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」
知っておこう「総支給額と手取り額の違い」
ここで覚えておきたいのが、「総支給額と手取り額の違い」です。
一般的に給与額や年収というのは「総支給額」に該当し、企業から支給される全金額を指します。
しかし、この数字が実際に給料日に振り込まれるというわけではありません。
給料として振り込まれる金額は「手取り額」であり、税金や保険が差し引かれた残金を指します。
以下、総支給額には何が含まれ、手取り額には何が差し引かれるのかを紹介します。
〈総支給額に含まれるもの〉
・基本給 手当などを一切含まない給料のベースとなる賃金のこと
・通勤手当 交通費のこと
・時間外手当 残業代のこと
・住宅手当 自社で働く従業員の住宅関連の補助(手当)を支給する福利厚生制度のこと。持ち家ローンや賃貸契約の家賃を企業が補助をする
・資格手当 業務に役立つ従業員に対して支給される手当のこと
・基本給 手当などを一切含まない給料のベースとなる賃金のこと
・通勤手当 交通費のこと
・時間外手当 残業代のこと
・住宅手当 自社で働く従業員の住宅関連の補助(手当)を支給する福利厚生制度のこと。持ち家ローンや賃貸契約の家賃を企業が補助をする
・資格手当 業務に役立つ従業員に対して支給される手当のこと
〈総支給額から差し引かれる(控除される)もの〉
・健康保険料 病気やケガ、出産などをした時に備えるため、日頃から保険料を払うことで医療費が負担される医療保険制度のこと。私たちが病院で支払っている金額は原則3割であり、それ以外はこの医療保険から賄われる。
・厚生年金保険料 会社に勤務する人が20歳〜60歳まで加入する公的年金制度のこと。原則65歳になった時、老齢厚生年金を受け取ることができる。
・雇用保険料 会社に属する期間加入する公的保険制度。支払う期間に基づき、失業や休業時、給付金の支給や就職支援を受けることができる。
・所得税 個人の所得に対し、一定の割合で課せられる直接税のこと。
・住民税 住んでいる地域に対して納める税金のこと。
・健康保険料 病気やケガ、出産などをした時に備えるため、日頃から保険料を払うことで医療費が負担される医療保険制度のこと。私たちが病院で支払っている金額は原則3割であり、それ以外はこの医療保険から賄われる。
・厚生年金保険料 会社に勤務する人が20歳〜60歳まで加入する公的年金制度のこと。原則65歳になった時、老齢厚生年金を受け取ることができる。
・雇用保険料 会社に属する期間加入する公的保険制度。支払う期間に基づき、失業や休業時、給付金の支給や就職支援を受けることができる。
・所得税 個人の所得に対し、一定の割合で課せられる直接税のこと。
・住民税 住んでいる地域に対して納める税金のこと。
初任給と同じくらい大切な選択基準
生活をしていく上で給与は確かに選択基準において重要です。
では、果たして初任給額があなたの社会人生活を全て潤すのかというと、そうではありません。
例えば、初任給がいくら良くても、社内の人間関係が悪い、残業が多い、休日が少ない、仕事にやりがいを感じない、といった職場だとしたら、あなたは長く働きたいと思うでしょうか。
モチベーションの観点からすると、モチベーションを保ちながら仕事を継続するには、2つの動機づけが存在すると言われています。
1つ目は、「外的動機づけ」です。
外部からもたらされるモチベーションの原動力であり、ここでは給与・賞与・福利厚生などが該当します。
2つ目は、「内的動機づけ」です。
内部からもたらさえるモチベーションの原動力であり、ここではやりがい・人間関係・貢献意欲などが該当します。
モチベーションを保ちながら継続して仕事を進めていくには、実はこの2つの動機づけのバランスが大切です。
まとめ
みなさんは現在、求人票を検索しながら初任給を見て、選択することができます。
自分の理想とする給与と併せて、「どんな人と関わっていきたいか」「仕事を通して何を叶えていきたいか」という視点もぜひ大切にしてください。
物理的なものと、心理的なものを明確にすることで、ながく充実したキャリアプランを確立できるでしょう。
【執筆者紹介】
髙橋 佑菜(たかはし ゆうな)
人材育成専門家、接遇講師
大手外資系ホテルにて10年間従事した後、講師として独立。学生から若手社員に向けて講義や企業研修を行い、登壇回数は年間200登壇を超える。現在は接遇マナーをはじめ、就活生のサポート、若手社員育成に携わる。