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「学生時代に力を入れたこと」を評価に繋げる6つの要素

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就職活動で必ず聞かれる質問の1つに「学生時代に力を入れたこと」(いわゆるガクチカ)があります。ほぼ間違いなく聞かれるので、ちゃんと考えよう思うものの、いざ書くとなると「何を書いていいのか分からない」「ボランティアとかやってないしネタがない」「アルバイトしか浮かばないけど、他の学生も書いているからインパクトないし…」など、意外と悩んだりするものです。

しかし企業は、あなたの経験の大きさや奇抜さを評価しているわけではありません。その経験の中に、企業が求める人材に必要な要素が入っているか、その要素にどのように対応したか、を見て評価しています。

そこで、今回は「学生時代に力を入れたこと」を書くにあたって、入れておきたい6つの要素と、そのポイントについてご紹介していきます。
これから書く人だけでなく、すでに書いている人も内容チェックに役立つと思いますので、より企業にアピールできるガクチカにするための参考にしてください。


「学生時代に力を入れたこと」を企業が聞きたい理由


なぜ、企業は「学生時代に力を入れたこと」を聞いてくるのでしょうか?
企業は多くの学生と面接を行い、短い時間の中で、その学生が「自社で活躍してくれそうか?」を判断しなければなりません。そこで、予め履歴書やエントリーシートに「自己PR」や「学生時代に力を入れたこと」「志望理由」(いわゆる3大質問)を書いてもらい、事前の判断材料にしています。

「自己PR」では主に人柄や価値観を、「志望理由」では業界や企業研究などを通して自社への意欲やマッチング度合いを確認します。そして「学生時代に力を入れたこと」では、その経験から、入社後に発揮してほしい能力を持っているかどうかを評価します(自己PRのエピソードから確認するケースもあります)。

つまり、大きく奇抜な経験であっても、この要素が欠けていると評価はされにくいと言えますし、逆に小さく普通のエピソードでも必要な要素がしっかり入っていれば、ちゃんと評価されるということです。
では、どのような要素を伝えれば、より評価されやすくなるのでしょうか?
 

企業が求める6つの要素


企業の面接官はあなたの話を聞きながら、会社が設定した評価すべき要素にその行動がいかに一致しているかを考えています。あなたの経験そのものも大切ですが、必要な要素が欠けていると、がんばって書いたのにもったいない結果になるかもしれません。
業界や企業によって多少の違いはありますが、押さえておきたい「企業が求める6つの要素」をご紹介していきます。
  • 目標を立てているか
仕事は「目標」を立てることが、成果を出すための第一歩であり、必要不可欠なものされています。どんな些細なことでも良いので、目標を掲げて取り組んだことを書きましょう。

<例>
県大会優勝、TOEIC750点、資格取得、バイト先の業務改善・売上貢献 等
  • 他者との関わりはどうか(チーム、部活、ゼミ、その他組織活動)
仕事は自分一人で完結するものではありません。自分の所属する部署はもちろん、他の部署やお客様など、多くの人たちと協働していくため、他者との関わり方が重要です。部活など関わる人数は多い方が良いですが、相手が1人であっても関係性の構築に努めたこと(協調性)がポイントになりますので、相手を尊重した対応や配慮、寄り添う姿勢などを意識した内容を考えましょう。

<例>
部の方針に意見が割れたため、ひとり一人に意見を聞いて妥協案を出した
学園祭実行委員で、お笑い芸人にステージ出演の交渉をした 等 
  • 責任感を持っているか
仕事は遊びとは異なり、途中で投げ出すことはできません。与えられた仕事や役割を全うしたか、その努力を怠らなかったかを意識しましょう。役割についてはリーダーやキャプテンなど幹部的な存在である必要はありません。ムードメーカーや会計など何でも良いので、自分の役割に求められる行動は何かを考え、出来ればその一歩上を目指した行動があると大きなアピールになるでしょう。

<例>
部の会計として収支をチェックし、今後のために支出の問題点を洗い出した
バイトリーダーとしてメンバーをまとめ、現場の問題点を店長に提言した
  • あきらめない姿勢でいるか
責任感に似ていますが、責務というよりも意志の側面が大きい要素です。思い通りにいかず困難に見舞われたが最後までやり遂げたこと、自分が決めた目標達成のために粘り強く行動した経験などを思い出してください。仕事でトラブルに巻き込まれたり、不慮の出来事で進まなくなるような事態があっても、あきらめずに挑み続ける姿勢を持つ人は、周りからの信頼を得られます。そういう人材に入社して、会社を活性化して欲しいと企業は考えています。

<例>
大けがで復帰困難と診断されたが、根気よくリハビリをして復帰し優勝した
留学資格獲得のため、苦手な英語でTOEIC750点を目指し努力を続け達成 等
  • 自分なりの工夫をしたか
「仕事」と「作業」は似て非なるものです。「仕事」は目標を達成するために、自ら考え行動して成し得るクリエイティブなものであり、「作業」は仕事を行うためのプロセスのひとつであり、指示に従って進める比較的単純なものと言えます。企業はあなたに「作業」ではなく「仕事」を期待しています。アルバイトで店長から受ける指示や教授からの学習課題自体は「作業」依頼なので、それを実行するにあたり、自分なりに工夫をしたことや、なぜその工夫をしかたの理由を書きましょう。

<例> 
口頭で業務引継ぎをしていたが漏れが多かったので、ノートを作り共有した
資料のデータだけでは納得感が低いため、対象者を訪問し生の声を聴いた 等
  • 継続力はあるか
仕事はいつも順風満帆という訳ではありません。嬉しいこともあれば嫌なことも起きるものです。瞬間の出来事に一喜一憂するのではなく、長期的に物事を捉え、コツコツと取り組み続け、経験を積み重ねていける人は最終的に大きな成長が期待できます。何かひとつの事に長く取り組んできた経験を思い出しましょう。また、そこで得られたスキルや成果があれば、ぜひ書いてください。

<例>
 幼稚園から15年間ピアノを続けており、コンクールで2連続入賞を果たした
3年間、毎月違う分野の本を4冊読んだことで、多角的な視点が身についた 等

 

まとめ


主要な6つの要素を紹介しましたが、これらすべてを無理やり文章に取り入れる必要はありません。あまりにも欲張りすぎると、逆に読みにくい複雑な文章になってしまい、まとまりのない印象を与えることになりかねません。少しでも評価をあげたいという気持ちは分かりますが、関連性を考えながら、3~4つくらいで書いてみることをお勧めします。
他にも「期限を守る」「リーダーシップの発揮」「マルチタスクな対応」など、企業ごとに設定している項目もありますが、まずは今回の6項目を押さえておくことで、基本的な要素をアピールできるので、ぜひ使ってみてください。

【執筆者紹介】

野末 岳宏(のずえ たけひろ)
新卒採用コンサルタント、エンパワーメントカウンセラー
E-Z-ON株式会社 代表取締役。大学卒業後、大手電機メーカー系IT企業の人事・総務部にて22年半勤務。採用活動の企画・運営を行い、社長賞受賞。年間80回以上、延べ8,000人以上の選考に携わった経験を活かし、2012年に独立。新卒採用支援、若手社員の育成サポートに携わっている。
 

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