企業からの内定をもらい、忙しかった就活を終えてほっとする時間が増えると「内定ブルー」に陥る人がいます。
「本当にこの企業でいいのか?」「他の選択肢はなかったのか?」「何かモヤモヤする・・」など、気持ちが晴れない状態です。
実はこのような内定ブルーはかなり多くの先輩が経験していることで、珍しいものではありません。
この記事では就職直前の内定プルーについて理解し、不安を力に変える方法をお伝えします。
なぜ内定ブルーになるのか
就職活動の結果、第一希望の企業に決まり大満足。仕事を始めることが楽しみでたまらない!という人も、中にはいるでしょう。しかし就職は良くも悪くも人生の大きな出来事、変化であり、仕事のスキル、人間関係、ライフプランなどについて不安になるのは当たり前とも言えます。
モヤモヤの正体を知る
その不安にはどんなものがあるのでしょうか?
納得したうえで決めたのかどうかが不安
これは、自分にとって本当にベストな企業なのか、もっといい選択肢はなかったのだろうかと考えこんでしまうことで起きる不安です。
内定企業への不安
これは、内定後に悪い噂を聞いた、情報収集が不十分な気がする、そもそも自分には活躍できる能力やスキルがあるのか、など就職先や仕事についてあれこれ気になって不安になる状態です。
社会人になることへの不安
これは、自分はちゃんと働けるのか、そもそも働きたくない、環境の変化が嫌、多様な人々と上手く付き合えるか、など社会人生活に対して抱える不安です。
あなたの不安はどのタイプでしょうか?モヤモヤはモヤモヤしたままだとずっと不安なままです。いったい自分は何に不安を感じているのかを見極めましょう。
不安タイプ別解消法
不安にはタイプ別解消方法があります。
- 納得したうえで決めたのかどうかが不安
- 内定企業への不安
*一次情報「自分が直接得た情報、もしくは自ら行った調査や実験で得た情報
**二次情報「他の人から聞いた情報、本やwebなど、なんだかの媒体から得た情報」
- 社会人になることへの不安
もしも、複合的に不安が重なっている場合は、大学や自治体の就職支援機関などでキャリアカウンセリングを受けるのもよいでしょう。カウンセラーと話すことで自分の不安が整理できます。整理できるとその次の動き方が見えてきます。ひとりで悩まず専門家の力も借りてみましょう。
偶然を活かす力-プランドハプンスタンス
ここで「プランドハプンスタンス」という考え方を紹介します。プランドハプンスタンスは1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授によって提唱された「キャリアは偶然の要素によって8割が左右されるので、偶然に対してポジティブでいる方がキャリアアップにつながる」という考え方です。また「大切なのは、偶然をじっと待つのではなく、意図的に生み出せるよう積極的に行動すること」と言い、あくまでも主体的かつ積極的な行動が大切だとしています。そして、偶然を味方にするには以下の5つのスキルが大切であると説いています。
<5つのスキル>
・好奇心を持つこと
・行動を持続すること
・柔軟でいること
・楽観的に考えること
・リスクを恐れないこと
・好奇心を持つこと
・行動を持続すること
・柔軟でいること
・楽観的に考えること
・リスクを恐れないこと
どんなに頑張って就活しても「100%満足できる完璧な仕事」は見つかりません。万が一見つかったとしても、その状態がずっと続くことはありません。
特にVUCAの時代といわれる変化の激しい時代では、予想外のことが起きるものだと思っておくぐらいがちょうどいいでしょう。
社会人デビューを前にして不安を解消することも大切ですが、不安の解消にばかりエネルギーをかけるよりも、上記の5つを磨いてみてください。
自分に与えられた環境を味方にしてキャリアアップにつなげる、と意識することで内定ブルーを解消してほしいと思います。
【執筆者紹介】
井上 由紀恵(いのうえ ゆきえ)
キャリアコンサルタント、就活支援講師
20年以上、外資を含む数社で人事業務に従事。採用、育成を通じて企業の発展に貢献。仕事、育児、介護と並行してキャリアカウンセリング資格を取得、その後豪州のMBAで学んで独立。自身の転職経験、人事経験を活かし、大学生から氷河期世代までの就活を幅広く支援している。