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三和建設株式会社

執行役員・アシスト本部長

森本 育宏

interview

三和建設に変革をもたらした「ブランド戦略」と「育成ファースト」

2027年に創業80周年を迎える三和建設。一時は倒産の危機に見舞われながらも、大胆な方向転換が功を奏し、今や大手企業からも選ばれる注目の存在に。その柱となった戦略とはどんなものだったのか? 現社長の実弟であり、執行役員兼アシスト本部長として会社の変革期を支えてきた森本さんにお話を伺いました。

大手メーカーとの取引多数! 食品工場が得意な建設会社

三和建設は、1947年に私の祖父・森本 多三郎が創業した会社です。祖父はもともと鹿島組(現・鹿島建設)で常務取締役を務めていましたが、戦後すぐに独立し、復興のために焼け野原の中で工場を再建していきました。現在は総合建設業、いわゆるゼネコンと呼ばれる会社として、サントリー山崎蒸溜所をはじめ、冷凍食品で知られるニチレイフーズ、調味料を手掛けるエバラ食品工業、コンビニなどでよく見かけるロックアイスを製造する小久保製氷冷蔵など、主に食品関連の工場の施工に注力しています。

一時は倒産の危機も……起死回生のとがった戦略とは?

私が三和建設へ入社したのは2003年。それまでは実業団でサッカーをやっていて、建設とは無縁の業界にいました。28歳になり、選手から指導者へのキャリアシフトを考えていた時、当時の三和建設の社長である父親に「帰ってきてうちの会社を手伝ってくれ」と言われたことが転職のきっかけです。その頃の三和建設は、景気の悪さも相まってなかなか受注が取れず、社員をリストラせざるをえないほどの経営難。実際、2度ほど倒産を覚悟した時期もありました。これを打開するべく立ち上がったのがブランディング戦略です。

“なんでも屋”の看板を捨て、専門性に磨きをかける道を選択

当時は食品工場のほかにも、家電量販店の店舗や分譲マンションなど、とにかく受注できるものはなんでも請け負っていた状態でした。でもそうなると競合他社との差別化が難しい。そこで着目したのが当社がこれまで積み上げてきた食品工場施工のノウハウと、長年にわたって大手食品メーカーと取引してきた実績です。これらを活かして、食品工場や食品関連施設のコンサルティングに特化した「FACTAS®(ファクタス)」というブランドを立ち上げ、顧客のニーズに合わせた完全オーダーメイドの施設を提供することを掲げました。

変革期を率いた現トップが掲げた“人を育てる”理念

この大胆な戦略に舵を切ったのが、2008年に父に代わって社長に就任した兄・森本 尚孝です。それまでは“家業”に等しかった知見や技術を「FACTAS®」としてブランド化することで“事業”として成立させました。そして、兄が社長になって手掛けたもう一つの大きな改革が「つくるひとをつくる®」という理念の策定。我々は、社員一人ひとりの成長が組織の持続的な成長につながると考えています。個が優秀であれば、たとえ三和建設がなくなっても社会に貢献できる。そんな優れた人材が集まる会社にしたいという想いを込めたものです。

自分の意志で会社を選んでもらうための採用プロセス

「つくるひとをつくる®」を体現するための大切な取り組みの一つが採用。当社では「ワタシゴト。採用®」という独自のプロセスで選考を行っています。今の時代は売り手市場なので、学生は企業を選べる立場にありますよね。でも、「人事の人が優しかった」「初任給がいい」「OBがいるから」といった自分の軸がない選び方だとしたら、結局は選べていないことと同じ。「社会に出てこれを成し遂げたい」という具体的な意志があればあるほど、複数の内定をもらったとしても自ずとマッチングする会社は限られてくるはずなんですよね。

過去の体験をもとに「仕事のやりがいとは何か?」を探る

「ワタシゴト。採用®」の1次選考は、社長が企業理念や方針を語るトップライブとコミュニケーションを目的としたグループワーク。2次選考では、1泊2日の合宿で自分の過去を棚卸をしていただきます。なぜこの作業が必要かというと、学生時代のエモーショナルな体験はビジネスを通して得られる感動と似ていて、それがやりがいにつながると考えているから。例えばサッカーの試合前に円陣を組むようなチーム一丸となる感動が忘れられない、と。それって施工の現場で職人さんたちと共に一つの建物をつくり上げていく姿と重なるのではないか、とかね。

インターンシップは理想と現実のギャップを埋める重要な場

そうやって過去の経験と結び付けながら自分が働く姿を思い描いたら、3次選考では約1ヶ月のインターンシップに参加していただきます。工事現場を見学したり、社員にインタビューしたりと直に三和建設という会社に触れながら、2次選考で描いた将来像とすり合わせていく。そこでズレが生じた学生は離脱していくし、こちらも「違うな」と思ったらミスマッチを言い渡します。でも、それがお互いにとって前向きな判断だと言えるのは、ミスマッチの理由が明確だから。結果、新卒入社3年以内の離職ゼロという成果にもつながっています。

なりたい自分を描ける人は、成長意欲が圧倒的に高い

自分がなりたい姿を思い描いて入社してくるので、成長志向が高く、ポジティブな社員が多いです。その人が何をやりたいかが明確だと、会社もそれに必要な業務やポジションを確実に与えていけるので成長スピードも早い。一方で、入社時に希望した職種しかできないというわけではなく、途中で方向転換する人もいます。文系出身者で多いのは、営業志望で入社したものの「施工管理にも興味が湧いてきた」と職種を変えるパターン。施工管理は当社の中で一番ボリュームが大きい職種なので、コミットできる人材が増えるのはいいことですよね。

自他ともに成長を実感しやすい、ポイント加算方式の人事評価

人を育てるという方針を掲げてから変わったのが人事評価制度。若手のうちは“成果”ではなく“成長”を評価するため、一定のポイントを獲得することでグレードが上がっていく仕組みを導入しています。現代の若者はフォロワー数やゲームのレベルなど、数字で評価されることに慣れていますよね。それなら会社の評価も数値化すれば、経験値を積み上げていく感覚と身に付けたスキルが評価される喜びを得やすいのではないか、と。社員とは毎月面談を実施するので、成長の度合いが把握しやすいですし、現場の不満をヒアリングするいい機会にもなっています。

将来のビジョンを明確にして、意志ある就活を

就活では、なによりも自分の意志を大切にしてください。その会社に入って何を成し遂げたいのか、どんな自分になりたいのか。当社の採用試験はそれが明確化できるいいきっかけになると思います。昨今の建設業界は人手不足であることがネガティブに捉われがちですが、働き手が少ないということは建設業の価値が上がり、そのぶん個人の給与にも反映できるということ。実際、当社の平均年収も年々上がっていて、ここ10年で約1.75倍に。今後も建設のニーズは高まっていくと思われるので、そういう意味でも未来ある業界だと思いますよ。

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