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大阪故鉄株式会社

代表取締役

矢追 大祐

interview

おしゃれに楽しく面白いと思えることにチャレンジしていきます!

時代に合わせて社内の変革を進める3代目社長。「社員が家族に自慢できる会社にする」をめざし、社内改革を進め社員との対談で働きやすい職場環境と、働き甲斐のある仕事内容の提供、そして、環境第三者認定による企業価値の向上に力を注いでいます。

パイオニアとしての歴史と実績が強みです

大阪故鉄は、鉄をメインとした金属リサイクル業を営む会社です。自動車などの製造工場の生産過程で生まれる鉄の端材や、ビルや橋を取り壊した際に出てくる鉄骨、鉄筋というものを当社で仕入れて加工し、製鋼メーカーに納入するまでを担っています。
大阪故鉄の強みは、一つには歴史があります。当社の創業は戦後まもなくの1946年。当時関西においてメーカーへ販売が可能なスクラップ業者は大阪では4社しか許可されておらず、大阪故鉄株式会社は、その4社の内の1社であったことから販売先への価格交渉が可能等の優位性があり、この優位性を活かして仕入れを多くすることが可能でした。現在でも鉄スクラップ業界では大阪故鉄の名前を知らない会社は無いと言われるほどの高い知名度を誇っています。

業界内での知名度は全国区です

納入先が数多くあるということは、鉄の売り先に困らないと同時に、良い条件、つまり高い値段で販売できるわけです。高く売れるということは、高く仕入れられるということなので、当社の鉄の購入先からも喜んでもらえるので、多くの鉄が集まるんですね。
強みのもう一つは、早い段階から営業活動を行ってきたことです。仕入れ先からの連絡や問い合わせを待つのではなく、積極的に新規開拓をした結果が今につながっていると思います。
業界における知名度は全国的に高いという自負があります。

売上も取り扱う鉄の量も増え続けています

拠点が複数あるというのも強みではないでしょうか。
大阪市住之江区の本社工場、大東市の諸福工場、さらには此花区や他地域の港にも鉄スクラップを保管する土地を確保しています。これによって、全国に鉄を販売することが可能になっています。
売上も、右肩上がりが続いています。2021年は130億円、2022年は146億円です。
鉄の取り扱い量も増え続けていまして、2020年には諸福工場を拡張しました。現在関西では同業135社中第2位の取り扱い量です。ただ、取り扱い量の増減にそこまでこだわっているわけではありません。きちんと利益をうむということを前提にマネジメントをしています。

若者の採用、雇用が長年の課題でした

私は3代目の社長なのですが、初代が祖父、2代目が父で現在は会長を務めています。祖父は創業したという事実だけですごい(笑)。一方で父は、大阪故鉄を会社として成り立たせました。社内規約を整えたり、設備投資も積極的に行ったりと、当時としては先進的だったと思います。
私はまだまだ道半ばではありますが、専務時代から取り組んできたのが、採用活動の活性化です。採用、リクルーティングは、父の代から当社の課題でした。特に若い人の採用には苦心していて、離職率も高く、入社してはすぐに辞めてしまうの繰り返し。有効な手立てが打てない、そもそも手立てが分からないという状況が続いていました。

草の根活動をするなかで気づかされました

専務になって採用に関する仕事を任せてもらった私は、まず若い人に大阪故鉄を知ってもらうことから始めました。大学生向けの就職説明会はもちろん、大学の環境系のサークルが行っている川の清掃活動などにも参加させてもらって、大阪故鉄のPRをしました。そこですぐに当社への入社を決めてもらおうというわけではなくて、いずれ転職を考える際に思い出してもらえたらという思いでした。
それでも収穫はたくさんありました。特に採用におけるデジタル施策。当然と言えば当然なのですが、若者を採用しようと思えば、若者が使うツールを使わなければならないと気づかされました。

魅力はもちろん、ネガティブな部分もオープンにします

そこでまず、会社のホームページを一新しました。企業ページと採用ページをきっちり分けて、ターゲット別に必要な情報を掲載していったんです。それで待っていても応募は来ないので、スカウトメールを1週間に最低200通送るということを自分に課しました(笑)。当時、半年間は続けましたね。さらにはX(旧ツイッター)も始めました。これも毎日アップを今も続けています。
あらゆるツールで大事にしているのは、真実を伝えるということです。当社の魅力はもちろんですが、一方でしんどい仕事、場面もあるという少しネガティブな部分もオープンにするようにしているんですね。それは、入社後に感じるギャップをなくして、長く働いてもらうために大切なことだと思っています。
新しい採用サイトでは「退職者インタビュー」をおこない、弊社の退職者に、辞めた理由、故鉄の課題や問題点をぶっちゃけて貰ったりもしています。

ハード、ソフト両面の改革に取り組んでいます

地道な採用活動の甲斐あって、私が専務の時代に入社してくれたクロストークにも登場している龍田、芳、中村は、今や当社をけん引する存在になっています。
一方で、社内の改革にも積極的に取り組んできました。工場のリニューアルといったハード面から、休日を増やす、作業服を新調する、福利厚生を充実させるソフト面まで、従業員のニーズを反映させる形で、こちらは現在進行形で進めています。また、研修制度の充実も図っています。私たちの仕事、特に工場の現場の業務は、ベテラン従業員の経験と知見が頼りなところがあるんですね。なので、もう少し組織的に、体系的にやっていこうと思案しています。

第三者の目を入れて、企業価値を高めることをめざしています

環境保護への取り組みも進めています。 2022年に、企業が掲げた温室効果ガス排出削減目標が国際基準を満たすかどうか判断する国際認定であるSBT認定を取得しました。これは単に一方的な目標を掲げるのではなく、きちんと第三者の目を入れて、確実に達成していくことをめざしてのものです。それにより、真に環境への負荷をなくすこと、そして企業価値の向上にもつながると考えています。

従業員と協力しながら面白いことにチャレンジしていきます

その他の取り組みでいえば、他業種とのコラボレーションやイベントの開催があります。前者は、ジャンボカラオケさんの店舗でのお部屋づくり、後者は当社の諸福工場での壁画アートのお披露目+工場見学会です。2つに共通しているのは、「鉄スクラップっておしゃれで、カッコいいんだよ」ということのアピールです。これは、特に社内の従業員とその家族に向けたものなんですね。鉄のリサイクル業が社会貢献に直結するという事実にプライドをもってもらいながら、もっと前向きになってもらいたい、家族に誇れるような仕事だと感じてもらいたいと思っているんです。
これからも従業員と協力しながら、おしゃれなこと、面白いことを続けていきたいですね。

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