ここから本文です

日本テクノロジーソリューション株式会社

代表取締役社長

岡田 耕治

interview

笑いと勢いで、幸せスパイラルを巻き起こしたいのです!

1999年に実父から会社を引き継ぎ、代表取締役に就任した岡田耕治社長。以来、日本テクノロジーソリューションの歴史は、岡田社長の歩みそのものと言って過言はありません。社員の誰もが惹かれるその実行力と人柄、魅力を探っていきます。

時代の波に勝てず事業転換を迫られました

父が兵庫県の高砂市に岡田電気工業を創業したのが1976年です。当初は「タクシー配車システム」や「自動巻き寿司機」の開発を行うベンチャー企業でした。その後、ブラウン管テレビの検査装置が主力に。ブラウン管といっても今の若い人はご存じないかもしれませんね(笑)。簡単にいうと昔のテレビに内蔵されていた映像を写し出すための仕組みです。その分野では、かなり高い評価を得ていたのですが、時代の波には勝てません。液晶テレビなどが普及するにつれブラウン管は役目を終え、2001年~2004年にかけて日本からブラウン管を作る工場がなくなりました。

家族の目に触れるものを作ろうと決意しました

私たちも当然、新たな事業に乗り出さなければならない状況になりました。まさに、会社存続の危機です。私は1999年に社長を引き継いでいたのですが、その頃から試行錯誤を続けていました。パッケージ領域にたどり着いたのは、まったくの偶然。日頃訪れるスーパーやコンビニに並ぶ飲料ボトルや医薬品を見て、「フィルムの圧着なら、うちの技術でできるんじゃないかな」とふと思ったんです。
新しいビジネスをするにあたり、念頭に置いていたのが「人の目に触れるものを作る」ということでした。ブラウン管は残念ながらそうではなかった。事業縮小の中でふさぎこみがちな社員をもう一度奮い立たせるためには、世間一般の人たち、もしくは社員の家族の目に見えるモノづくりをして、やりがいを感じてもらう必要があると考えたんです。その点、パッケージへのフィルム圧着は、ぴったりでした。

ニコッとしたあの笑顔が忘れられません

「フィルム圧着の機械を作れるか」と、うちの技術者に尋ねると「できるんじゃないか」と返ってきた。「だったらやろう!」ということで、電気担当1人、機械担当1人、マーケティング&営業担当1人(ちなみに私です)の3人で試作機づくりに没頭する毎日が始まりました。完成までの期限は3カ月。というのは、大きな展示会の開催が迫っていて、そこに出展しようと決めたんです。フィルム圧着やパッケージの知識もまったくない中で、無謀ともいえるチャレンジでしたが、社員に展示会出展の話をするとニコッとしたんですよ。自分たちの技術やモノづくりを知ってもらえるというのが嬉しかったんだと思います。大変でしたが、この3カ月という短期集中も功を奏して、機械は完成しました。

事業を軌道に乗せるまでには苦労がありました

完成した機械製品は「熱旋風式シュリンク装置TORNADO®」と名づけました。トルネードとは、この製品の特徴が、四方向から熱風を吹き出して竜巻のように渦を作り、フィルムを対象物に一瞬で美しくシュリンク包装できることが由来です。現在は、この技術と製品に多くのお客さまから高い評価をいただいていますが、当然ながら売れるまでは苦労がありました。展示会に出したものの、知名度も実績もない会社のシュリンク装置に振り向いてくれる人はほとんどいない。その中でも一人、興味をもってくれた方がいたんです。大手印刷会社の営業パーソンで、その方から業界のノウハウ、仕入れや販売ルートなどをかなり詳細に教えてもらえたのが大きくて、事業が軌道に乗るきっかけを与えてもらいました。

大企業のプロモーションにも参画しています

当社の事業領域は、大きく分けて3つです。一つ目は、今お話しした「パッケージ領域」。二つ目が「メディア領域」です。動画撮影や私たちと同じようなBtoBの企業様の、セールスプロモーション、ブランディングのお手伝いをしています。事業転換をした当時、やっぱり業界の情報に乏しいこともあって、情報収集の一環で企業向けのコンサルティング業務みたいなことをしていたんです。セミナーの講師などですね。そこで、新商品や新技術の開発の支援をしているうちに、コマーシャルも作りたいという要望が出て、ならばやってみるかと始めたのが、メディア事業です。おかげさまで誰もが知る大企業のプロモーションにも参画させてもらっています。

「優れた技術を優れたビジネスに」が合言葉です

そして三つ目が「ソリューション」「パートナーシップ」「コンサルティング」の広範囲にわたる領域を扱う「アライアンス事業」と、計3つの主軸事業があるわけですが、新しいことをするのに、規制を設けているわけではないんです。合言葉は「優れた技術を優れたビジネスに」。この思いは会社の自他を問わず持ち続けています。例えば、日本酒の普及プロジェクトがあります。これは旅行ガイドブックの『地球の歩き方』とのコラボレーションしたビジネスで、コロナ禍で旅行市場が縮小する中、同じく魅力発信に苦慮していた日本酒を当社がつなぎ合わせることで実現しました。

私たちは「幸せスパイラル提供企業」です

経営理念の策定や働き方の整備などといった社内の改革も、パッケージ事業への転換と同時期にスタートさせました。最初に着手したのは、理念をつくること。会社の存在意義を見出すことで、社員たちに自らの存在価値を知って欲しいと思ったんですね。そこで「地球をワクワクに変える。」というパーパスを策定し、経営理念に「幸せスパイラル提供企業」という言葉を入れました。幸せスパイラルとは、社会課題を社の内外を問わず一緒に発見し、解決しようという意思表示。自社だけが儲けたり、楽したりするという考えを捨て去って、皆が幸福感を享受するために私たちは存在していて、そのために企業活動をするんだという思いなんですね。

理念体現の一つに「使命」があります

そういった理念を体現するものはたくさんあるのですが、社員個々に絞っていえば、皆「使命」を持っているということです。文字通り、命をどう使うかということを一人ひとりが考え言語化し、実行、実践しています。ちなみに私の使命は「笑いと勢いの演出家として、世の中にエネルギーを与え続ける」こと。ネガティブな状況を、笑いとパワーで転換! 微力ではありますが、ビジネスや暮らしの可能性を広げるサポート、社内外で実践しています。こういったワード、思いを社員一人ひとりがもっていて、仕事や生活、生きることへのモチベーション、ベースにしています。

多彩でリアルな教育ツールが揃っています

当社では、2008年から新卒採用を実施してきました。会社を新しい力で成長させて欲しいとの思いからです。同時に、若手は会社だけでなく社会に育ててもらおうと考えてきました。早くから出展する展示会のスタッフとして活動してもらったり、先ほどお話したメディア、番組制作にも携わってもらったりしているのはそのため。特に番組制作では、日本を代表する企業のトップと会って、話を聞くことができる。教育ツールとしての側面もある事業なんです。

パートナーとわくわくを味わっていきたいです

私は従業員という言葉が好きじゃないんです。ここで働いてくれている人は、会社や私に従っているわけではないし、私も従わせるなんて意識はありません。パートナーという言い方が一番しっくりくるでしょうか。意見や進言が役職や先輩後輩の垣根なく発せられている今の環境を心から歓迎しています。これからもパートナーと一緒に、幸せスパイラルを巻き起こしていき、もっともっとワクワクを味わっていきたいと思っています。

SHARE

この企業のその他潜入レポこの企業のその他潜入レポ